アナグラズ。

《「鍼灸・整体」業界向けの書籍・製品紹介》ブログ。

経絡治療を学ぶ。

憧れへの道は遠い。<題名。

 

どうも、アナグラズです。

さて、

黄帝内経(こうていだいけい)』
『神農本草経(しんのうほんぞうきょう)』
『傷寒雑病論(しょうかんざつびょうろん)』

と、漢字ばかりを並べてみました。鍼灸の世界では当然知っていなければならない本の名前です。
もし、内容を詳しく知っている初学者がいれば、よほどマニアックに勉強している人だと思います。読み方も耳慣れませんし。
とかく鍼灸師であれば、これらが東洋医学の三大古典であるというくらいは知っておいてほしいところ。
現在に伝わる東洋医学的考え方の基礎となっています。


とはいえ、本題は古典ではないので、さわりはこれくらいに。

今回は「経絡治療」について。
ツボの流れ=経絡を使って治療をする、というのはアナグラズ的には「まさに鍼灸!」という感じ。

経絡治療は(元々は)古典をベースに治療理論が組み立てられています。
そのため、熟練するまでに結構な時間がかかるイメージがあり、「取っつきにくいな」と思っている方も少なくないのではないでしょうか。私もそうでした。

もちろん、勉強会に参加すればいろいろとわかりやすく講師の先生が教えてくださいます。しかし、脱サラ学生の私には勉強会に捻出する資金がなかなかなかったので、基本的には書籍で概要を掴んだ上で、自分で厳選した勉強会に出る、という形を取っていました。


そんなときに役立ったのが、この本。
大上先生は経絡治療学会徳島部会の副会長や夏季大学の講師もされています。
専門学生のころは読み進むのも辛かったであろう内容ですが、じっくりコツコツ反復して読むと非常に臨床に役立てられるものです。

 

『図解 よくわかる経絡治療講義』大上勝行 著(医道の日本社 2014年)

【GOOD】

 丁寧に解説されていて、脈診や選穴などもわかりやすい。想像力を働かせて読めば、モデルを相手に講義を聴いているような内容。脈診のイメージ図や東洋医学的に病をどう捉えるかなど、かなり具体的に書かれている。入門書と捉えることもできるが、臨床に立ってみるとより内容の理解度が進み、治療に活かせるので応用書でもある。

【BAD】

東洋医学的な治療を理解していないと、初学者には理解しづらいこともある。学生向けというよりも、治療の幅を広げたい初学者〜中級者向けの内容と言える。西洋医学的な頭で読むと、何を言っているのかまったく理解できない。

 

正直、表紙から連想するよりも難しい内容ですが、かなりおすすめ。
購入してからしばらく経った今でも読み返しています。
東洋医学的な立場で治療したい方は一読の価値あり。

 

とまぁ、またまた久しぶりなってしまいましたが、こんなところで。

鍼灸師といえば、経穴。つまりツボ。

せっかく学ぶのだし、活かしたい。<題名。

 

どうも、アナグラズです。

なんだかんだと忙しくこちらにまで手が回りませんでした。
しらばっくれてまた再開していきます(笑)。

 

東洋医学」と耳にして、かなりの方に連想されるであろうイメージは

「ツボ」

に尽きるのではないでしょうか。

 

「ツボ」、つまり「経穴」とは、ざっくり言ってしまえば身体に存在する治療効果を出すためのポイント(あるいは反応点、診断点とも言えます)。そして、それらが法則を持ってつながっているのが「経絡」です。
経穴は少なくとも361穴以上あり、鍼灸師が学ぶのはその理論的・体系的な運用方法だと言えるでしょう。

 

361穴、ということは1日1穴覚える計算ですが、もちろんそれじゃ最初に覚えたものを忘れていきます。だいたい、お経や呪文のようにブツブツ唱えながら覚えていくものですね。
また、見たことのない漢字や使ったことのない字もたくさん出てきます。
出発が中国ですし、その点については諦めましょう。覚えるしかありません。ひたすら暗記です。

 

とはいえ、ただ覚えただけだと国家試験が終わったら忘れてしまいます。
では、臨床に活かせるツボの覚え方とはどういうものか。
それは筋肉や神経とともに覚えること

 

そのために良いのが、今回おすすめする本です。

『ツボ単語ー経穴取穴法・経穴名由来解説』坂元大海・原島広至著(NTS 2011年)

【GOOD】筋や神経を3Dで掲載し、経穴との関係をしっかり把握できる。また、経穴名の由来を掲載しているので、成り立ちを含めてしっかり覚えられる。エピソードがあると記憶に残りやすいし、患者さんとのコミュニケーションにも利用できる。

【BAD】版を重ねるごとに修正されているが、筋肉の付着部名や経穴の漢字の誤植があるため、これを鵜呑みすると国家試験では手痛いミスになる可能性も。取り方の解説の部分に兪穴の表記があるともっとわかりやすい。

 

もはや定番となってはいますが、やはり外せません。自分もずいぶんとお世話になりました。今でも使っています。
もしかしたら、今の学生はすでに持っているかもしれませんが、資格を取ってからも復習に使えますし、読み込んだり、書き込んだり(あまりスペースはないですけど)することで自分なりの教科書になるのは間違いありません。

まだ持っていない学生さんは、まず買って損のない1冊です。

内臓はイラストで見た方がいい、と思う。

どうも、アナグラズです。

バタバタしていて更新できませんでした。

 

内臓のイメージってしにくいですよね。
そうそう目の前に内臓が置いてあるなんて状況があるわけでなしに。
ましてや細胞の観察なんてなかなかできる機会はありません。医学部でもない限り。

実物を見るとグロテスクだったりして、人によっては気持ちが悪くなることもあるでしょう。それでも解剖実習があるならば参加するべきだと思います。
とはいえ、解剖実習なんて鍼灸専門学校でカリキュラムに組み込まれているところはおそらくあまりないし、母校ではオプションでお金も掛かったので自分はやってません。やりたいですけど。

なので、画像やイラストで覚えるわけですが、イメージをつけるためにはイラストのほうが受け入れやすいと思います。

 

さて、そんなこんなで今回紹介する本は旧版がベストセラーの『からだの地図帳』

専門書というよりも家庭用寄りという感じですが、その分とてもわかりやすい。
専門学生なら、授業の副読本として使用できるでしょう。

イラストが豊富で、臨床の現場では患者さんへの説明に重宝します。
各臓器に関する疾病についても触れられているため、「あ、これは案外知らないことだなぁ」と感じることもちらほら。

筋と骨格の関係を大まかに整理するのにも十分使えます。
ただし筋の付着部とかを覚えたいときには向きません。
内臓系の知識整理にはとても役立つ一冊ですね。人体のイメージを頭に形作りたいときは超絶オススメです。

 

『新版 からだの地図帳』佐藤達夫 監修(講談社 2013年)

【GOOD】イラストが豊富で解説がわかりやすい。価格も4000円と割と安い。一冊あると復習もできる。内臓のイラストが実物大で掲載されている部分もある。

【BAD】旧版から抜け落ちている部分もあり。A4変形なので少しかさばる。情報量が多いので必要な項目を探しづらいかもしれない。

 

と、今回はシンプルに。
どうしても解剖学系のオススメが多くなるのは、自分が苦手だったからです、はい。

「筋と骨格」にやられた学生時代。

どうも、アナグラズです。

 

今回も基礎的な知識の話。

学生の頃は解剖学にだいぶやられていました。唯一の学内試験追試課目も解剖学……。

中学高校と理系の授業を取っていなかったこともあり、「生物学を選択しておけばよかった…」と思ったのは一度や二度ではありません(笑)
内臓の話はとりあえず置いておくとしても、筋や骨格の知識は現場ですぐ使わなければなりませんからね。

 

患者さんの身体を触らせていただくわけですから、解剖学の知識は医療従事者としての最低限度のマナーと言えるでしょう。
ましてや鍼灸師は鍼を人体に刺すわけですから、筋・骨格系の知識がないと事故が怖くて仕事ができません。しっかりと身体の構造を理解するためにも、いろいろな角度から知識を得ておく必要があります。解剖学実習がある場合は積極的に参加した方が良いでしょう。

 

で、僕が学生時代に助けられたのは、これ。


「改訂版 ボディ・ナビゲーション」
Andrew Biel 訳:阪本桂造(医道の日本社 2012年)

【GOOD】オールイラストで細かく筋と骨格の関係が描かれている。どのように触ったら目的の組織にアプローチできるかが詳細。特に骨指標は参考になる。
【BAD】専門書なので高い(が、その価値はある)。写真付きの体表解剖というわけではないので臨床の現場で混乱する可能性はある。筋の付着部の表記に間違いがあると聞いたことがある(全部を詳細にチェックしていないので何とも言えないが)。

「書いて覚える身体解剖ノート」
という関連書があり、塗り絵感覚で使えますが、正直全部はやりきれませんでした(汗)
2015年に新刊として

「ボディ・ナビゲーション・ムーブメント」

というものも出ていて、立ち読みした感じでは良さそうなものでした。次に狙っている本です。

鍼灸師柔道整復師に比べて解剖学やら生理学の説明が苦手な人が多いです。東洋医学に頭を割いているからかもしれませんが、患者さんに伝わりやすいのはどうしても現代医学の言葉。
それと、臨床ではドクターと話をしなくてはならない場合も出てきますから、解剖学はしっかりと学んでおいた方がいいと思います。
運動学と一緒に知識をつけていくと、身体のイメージをつけやすくなりますから、シリーズの「ムーブメント」も一読の価値ありです。

それでは、今回はこれくらいで。

臨床での検査、全部できますか?

いいえ、できません<題名。

 

どうも、アナグラズです。


今回紹介するのは、割と定番の本だと思います。
定番であるということは、それだけ現場に活かせることが多いということでもあります。

今回のテーマは「検査法」。

 

自分の場合、検査法については習ったことと現場でのギャップに驚きました。
専門学校で習った検査方法であっても、現場で使わないことも多いのです。
特に多くの接骨院のように「数を回してなんぼ」というスタイルを取る治療院あるいは単に忙しい治療院では、患者さん一人当たりに使われる検査法は限られてきます(もちろん時間も)。
となると、少ない検査で精度を出すことが必要ですが、これがまた難しい。問診や触診で経験的に導くことも多いですし。

そのため、習った検査法を結構な部分、忘れます(笑)
いや、笑い事ではないんですけどね……。

 

例えば腰痛の患者さんが多い場合は、《SLRテスト》や《ブラガードテスト》といった検査法はよく使います。それすら使ってなかったら、結構いい加減な治療院かもしれません(大きな声では言えませんが)

どの検査法も正しく使えば使うほど、しっかりと陰性所見を取ることができるようになるでしょう。「腰の痛みの検査法はばっちり!」と思えるようになればしめたモノです。

 

ですが、このような場合、同じ症状ばかり相手にしているために知識と経験に幅がありません。
そこに急に膝の痛みを訴える患者さんが来院したらどうでしょう……。


患者さんに対しては平静を装うことができれば成功ですね。
えー、内心かなりパニクります(笑)
勉強不足だった自分がそうでした。

そんなときは、バックヤードに何かを取りに行くふりをして、本を開きましょう!
バックヤードがなければ諦め…開き直りましょう。
頭の中で学んだ検査法を引っ張り出してください。

そうならないように、常に検査法は復習しておいたほうがいいですね、という話。

 

鍼灸臨床 問診・診察ハンドブック」出端昭男(医道の日本社 1987年)


2010年の段階で初版19刷というベストセラーです。
【GOOD】腰痛・坐骨神経痛など5つの疾患別に検査法が整理されていて、すぐに探したいことを見つけられる。苦手な鍼灸師が多い運動器疾患の検査法に特化している。写真も豊富。検査の臨床的意義が載っているので、何のための検査かが明白。

【BAD】なにぶん古い書籍なので、誌面構成において文字が多い。WHO規格ではない経穴の表記があるので、初心者は混乱する可能性あり

 

ちなみに同書を基にしたDVDも出ています。こちらは2011年と割と新しいので、少々値段張りますが買う価値あり、です。

DVD>鍼灸臨床問診・診察ハンドブック ()  出演:小松秀人・岩元健朗・三浦洋・浦山久昌(医道の日本社 2011年)

※ぱっと探したところ、画像がなかったのでテキストで申し訳ないです。

 

ぜひ役立ててくださいね。

 

では、また次回。

 

ものは試しにやってみる。

アナグラズ、スタートします。

メインで書くと下世話感が出てしまいそうなので(笑)、紹介モノはこちらで行おうかと。

テーマとしては《「鍼灸・整体」業界向けの書籍・製品紹介》ってところでしょうか。

活字から得られること(知識)と、身体で覚えること(経験)があります。
経験は臨床の現場で働いてみるしかないですよね。多くの患者さんを診させてもらうしかありません。

となると、自分の時間を使ってできることは勉強会に行くことと、書籍などから知識を蓄積すること。そして、自分の中で言葉や知識を咀嚼することが、現場の力につながっていくはずです。

しかしながら、専門学生のときは国家資格の受験知識を得ることで手一杯になりがちです。
で、いざアルバイトや修行で現場に立ってみると自分の「やれなさ具合」にへこむことも多い。

まぁ、こればかりは何年経っても同じですけれどね、正直。足りないモノが多すぎて困ります。

そんなときには書籍から得た知識を組み合わせると、施術の幅が広がります。
活字って大切ですよ、本当に。何度も読み返せることを考えると、ネットの情報よりも個人的には書籍派です。

とは言っても、「正直、どんな知識を仕入れればわからない」「テクニックが身になるような本はないのか」「臨床上で役立つ知識とはなんだ」というのが、おそらく施術者の多くが感じていることだと思います。

 

なので、このブログでは初学者や臨床上に役立つ書籍やそれに付随した製品などを少しずつ紹介していこうと思います。

イメージはメイン↓よりももっと具体的に内容に言及していこうかと。

 

 

 で。手始めにこれ。

初心者向けですが、イラストがわかりやすい。国家試験対策としても知識の棚卸しができるのでのちのち重宝しました。

「ぜんぶわかる人体解剖図」坂井建雄・橋本尚詞(成美堂出版 2011)

【GOOD】解剖学のイメージをつけるのにとても良い。そして安い(1,900円・税抜)。患者さんに説明するときにも使える(イラストなので見せやすい)。

【BAD】筋肉の付着部や神経の細かい部分までは言及していない。運動器の詳しいことについては別のモノを読むべき。

 

と、こんな感じでしょうか。

まずは始めてみて、皆さんの反応を見ていこうかと思います。

それでは、また次回。